小嶋 陽太郎『友情だねって感動してよ』を読んだので感想

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要約

東京・神楽坂を舞台にした、6つの小編から成る群像劇。ひとつひとつの話はそれぞれ独立した物語にも読めるので、短編集としても楽しめる。青春小説らしい疾走感が絶妙。

読書のセンスに圧倒的信頼を置いている友人に薦められて購入。やっぱりあいつはすごい。悔しいくらいめちゃくちゃ面白かった。今年いちばん面白かった小説かもしれない。

わたしは横道世之介のような群像劇がとにかく好きなのだけど、本著も群像劇小説としてはかなり理想的だった。それぞれの短編が独立して面白く・かつ微妙につながっていて・最後にひとつの大きな謎が解明される。そうそうこういうの。こういうのを求めてたんですよ!という感じだ。

舞台は一貫して東京の神楽坂。鍵となるモチーフは「神社」と「公園」。それぞれのエピソードで、語り手はみんなこの神社と公園を訪れる。

わたしがいちばんお気に入りの話は『ディストラクション・ガール』。クラスのいじめられっ子「西野」とひょんなことから仲良くなった「僕」は、彼女がこっそり「爆弾」を作っていることを知る。「西野」はその「爆弾」で人を殺すつもりだと言うが・・・?! 結末はぜひあなたの目で。スリリングなラストシーンは思わず心臓止まりそうになっちゃうよ。

浅野いにお氏のキュートな装丁と、大好きな(♡)アジカン後藤正文氏が書いた推薦文もポイントです。文庫ないのが残念だけど、この綺麗なイラストを大きい版で見るのもまた一興。